大手塾の唯一の存在意義

塾というものが、

小・中学生に有害であるケースが多い、

ということを、今までずっと書いてきました。


特に、「面倒見の良い個人塾」などは、

子供の自立心を奪い、試行錯誤の機会を奪い、

成長の機会を奪うケースがある。



しかも、そういう塾は、

子供本人や保護者の間では、

逆に「熱心なところだ」と評判が良くなりがち。



塾への依存心が増してしまい、

家庭の成長すら損なわれる。




本当に、危険なのです。




ただし。

勿論、ただ危険なだけの存在ではない。



「塾で能力が伸びる」などという、

明らかに間違った期待をしてしまうと、

非常に危険なのですが。




そのような過剰な期待などせず、

「使えるところだけ使おう」と思えるのならば、

それは非常に有用な存在になります。



言ってみれば、

家庭や学校を「普段の食事」とすれば、

塾は「サプリメント」のようなもの。



サプリメントを信じすぎて、

そればかり摂るようでは、

確実に体を壊しますが。




普段の食事ではどうしても不足しがちな栄養素を、

それで補うとしたら、

サプリメントは、非常に良いものとなるでしょう。





そして。


勉強における、

普段の食事=日常生活ではどうしても不足しがちな部分、

塾で補える部分とは、何か。



普通に考えれば、
「難しい知識を与えてくれる」という点でしょうが。



今の時代、知識など、参考書やインターネット上に幾らでも転がっている。

自分一人でつかもうと思えば、大概つかめるものなのです。



その塾が、知識などではなく、

「考え方」「アイデア」などまで教えてくれるならともかく。




普通の大手塾、

カリキュラムに沿って、

ただの「集団授業」を行うだけ、

知識の垂れ流しをしているだけの授業を行うだけでは、

生徒の能力に対して、ほとんど何の意味もありません。




ただ、それでも、一点。

そういう大手塾で、

役に立つことがあるとすれば。

それは、一にも二にも、「競争心」の育成だと思います。



競争心が、

人の成長に必要不可欠なものであるのは、

いうまでもないでしょう。




誰かに勝ちたい、という気持ちがなければ、

努力のモチベーションは持ちにくいもの。


出来る生徒は、

一つの例外とてなく、負けず嫌いなものです。


そして、この競争心ですが。


かつての、

一つの家庭で兄弟も多く、

近所づきあいも多かった時代ならば、

日常生活で十分に競争もあり、

そこで養われたでしょうが。



現代では、

兄弟も少なく、近隣ネットワークも薄い。


学校でも、

競争を否定するようなところもあるらしく。



必然的に、競争心が煽られる機会も少ない。




そこを「補完」するのが、

塾なのでしょう。




そこでは、否応無しに、

むき出しの競争に晒される。




そういう意味で。

塾というものには、一定の存在価値はあると思っています。





しかし。

それはあくまでも、限定的な意味で、です。




例えば、海外の塾では。

帰国場所が日本全国バラバラなので、

志望校が同じもの同士が机を並べることはごく僅か、

という問題点があります。


つまり、競争が直接的なものではない、という欠点。




まあ、その問題をさておくにしても。




塾が競争心を煽ることそのものには、

大きな問題があります。




それは、競争の結果、勝者が生まれる一方で、

必ず、敗者も生まれる、ということ。




無論、敗者が、それをバネにより一層努力をするのなら、

それはそれで良い経験なのですが。



いつもいつも、そんな風に話はうまく行きません。



特に、

「何かから立ち直った経験」のほとんどない、幼い子供は、

その敗北のショックがあまりに大きく、

勉強嫌いになってしまうおそれが、十分にあるのです。





特に、中学受験勉強においては、そのケースが非常に多いのです。



その理由のまず第一は、

生徒は、個人の発達度合いが、それぞれ大きく異なること。


幼い生徒は、どれだけ努力しようが、

どうしようもないことがある。




さらに第二に。

中学受験の指導者は、非常に能力が低いケースが多い。



「知識の垂れ流し」が何の意味も持たない年代に、

それを行なっている講師のなんと多いことか。




そういう障害のために。

その生徒に非常に優秀な素質があっても、伸び悩んでしまい。



競争に負け続け。

結果、勉強嫌いにしてしまう。


そんなとても残念なことが、頻繁に起こってしまっているのです。




もしその生徒が、過当な競争などせず、

ただひたすら楽しく勉強をし、

かつ、勉強以外の様々な体験を積むことで、人間的な成長をしていたなら、

中学校以降でグングン伸びたかもしれないのに。





つまるところ。

小学生にとって、塾というのは。



面白いアイデアを与えてくれる塾なら、ともかく。



そうでなく、

ただただ問題の解き方を教えてくれるような塾であったならば。



競争心を育む以外の価値は、ほとんどなく。



その点で、敗北ばかりを喫するなどの理由によって、

肝心のその競争心が育たない場合は、行く意味などない。


いや、むしろ有害でありえる。




そういう場所であることを、常に気をつけて欲しいと思います。


















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