中学受験勉強をしてはいけない子供達

先日、同じ中高卒で、医者をしている後輩と、
久々にあって会話していたのですが。

私が語る中学受験業界のめちゃくちゃさに、
彼も絶句をし、私に激しく共感していました。



特に。

「そういう子供に中学受験勉強をさせてはいけない」
と思わせるケースに関しては、
完全に同意していました。


それは、こういうタイプの生徒のことです。


「2、5、8、11、14・・・
と続く数列の、1番目から20番目の数の合計を求めよ」


中学受験においては、非常に基本的な問題です。

しかし。
こういう問題に対して。
「この程度の問題の公式すら覚えていない」生徒に対して、
受験するなと言っているのでは、決してありません。


公式なんて、忘れるのは当然。
そんなことは、どうでもいいのです。


大事なのは。

そういう公式を忘れた時、
あるいはまだ、公式を教わってもいない時に。


「手作業で答えを出そう」としない生徒。

さらに付け加えれば、
その作業を、ミスしないように慎重にしたりは、
絶対にしない生徒。


そういう生徒には。


公式など教えても、無意味ですし。
受験勉強などさせても、無意味なのです。



公式の意義というのは。

問題を解くのに便利である、という点にあるのですが。

そもそも、その「便利さ」を、
強く感じられる生徒でなければ、

公式を教える意味、覚えさせる意味はない。



そして、それを強く感じられる生徒というのは。



手作業を厭わない生徒。
確認を厭わない生徒。

つまり、どんな手を使ってでも、
答えを出したい、と思っている生徒。


そういう生徒が、
「二十番目まできっちり書いて、それをきっちり合計する」
という作業を再三繰り返した末に、


「もっと楽な方法はないのかな?」

と思うようになった時に、

公式を、きっちり意味を添えて提示する。


そうすることで初めて、
その生徒は、公式の意義を理解し、感動し、
算数数学の楽しさを味わい、

算数数学が好きになり始めるのです。






これは、上記の例のような、数式の問題に限らず。

答えが自然数になるのに決まっている問題、

例えば、

「鶴と亀が合わせて20匹いて、足の数の合計は56本である、
それぞれ何匹いるか」

などという問題に出くわした時に、

「鶴が1、亀が19なら足は78本」
「鶴が5、亀が15なら足は70本」という、
「当てはめ」をやっていき、

最後に、
「鶴が12、亀が8なら56本になる!」
と見つけ出せる生徒。



そういう生徒のみに、
「鶴亀算」「面積図」というものを教える意味があるのです。



その友人は、言います。
「100通りぐらいまでの当てはめなら、当然やりましたよ」



私も全く同感です。




当たり前のことです。

答えが分数などになる可能性のある問題と違い。

自然数と限られている問題ならば、
当てはめをやっていけば、

絶対に、答えに到達出来るのです。

何のひらめきも要らない。

こんな楽な話は、そうそうありません。


小学生時代の私達なら、
「鶴と亀が合わせて20匹」程度の問題、
つまり20通りの実験で済む問題など、

「解ける」と確信できることに気付き。

鶴亀算などを教わる前に、
大喜びで解き切ったものです。



しかるに。


こういう問題を、鶴亀算でしか解こうとしない、
解けないと思っている生徒達。


彼らは、問題を眺めて、
ただ公式を思い出そうとしているだけ。

思い出せないなら、諦める。

辛うじて思い出しても、
記憶違いがあったり、
計算ミスがあったりして、
間違った答えを出してしまっても、
確かめもしないので、それにも気付かず。

誤答をする。



そして、
「思い出せなかった、勉強不足だった」と、判断し、
ますます必死に、公式を覚えようとする。



こんな子供達に、
中学受験勉強など、
させてはいけないのです。



公式の意味も意義も理解せず、
ただただ、教わったものを暗記しようとするだけ。

楽しくない勉強を繰り返すだけ。


勉強が嫌いになり、
自分の頭が悪いと、勘違いするだけ。




悲劇しか、ありません。




こんな悲劇を避けるのは簡単。

まずは、手作業をさせてみる。

それをやるなら、中学受験に向いていますが。


どうしてもそれを厭うなら、
無理して中学受験を押し付けてはいけません。

そういうことを厭わなくなるまで、
焦らず成長を待てばいいのです。


勉強なんて、いつでも出来るのです。
18歳までに、手作業を厭わなくなりさえすれば、
絶対に伸ばせるのです。


無意味に焦って、
大事なものを失ってしまっては、
元も子もないのです。




なのに。
こんな悲劇が、量産されている。


公式を教えることを「指導」だと思っている愚かな指導者達が、
「手作業」をさせる前に公式を垂れ流す。


公式を覚えることを「勉強」だと勘違いしている素直な子供達が、
無駄な時間とお金を費やしダメになって行く。




中学受験熱が高まるにつれ。


子供達は、どんどんダメな方向に向かっているようで。


日本の未来までが、本当に心配になってきます。
















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