信長は英会話も中学受験もしなかった③

指示されるまで待ち続ける。
自分からは絶対に動かない。
ミスをしても一向に平気。
どうにかして答えを出そうと粘ったりはしない。

学校や塾で習ったこと以外の知識はほとんどない。
自分だけの趣味や嗜好もほとどない。

欲もない。


能力はそれなりにあるし、
かつ、宿題など指示されたことは、ある程度はちゃんとやる。

なのに、基本姿勢がそんな有様だから。

多くの場合、力を出しきれず、
そして伸びることが出来ないまま、
ぼんやりと学年だけが上がって行く。




そういう生徒が、恐ろしい勢いで増えています。



そしてそういう生徒の大半が。


中学受験の勉強をした経験があるという、

もっと恐ろしい事実があります。






中学受験というものの及ぼす害悪は、
計り知れない、と私は思っています。



はっきり言って。
子供の能力を伸ばすどころか。
その大半を「ダメにしてしまう」もの。

そうと私は思っています。



と、言うのも。

今の中学受験指導は、ほとんどが詰め込みです。


公式を覚えさせる。
漢字を覚えさせる。
年号を覚えさせる。

それら自体が悪いことだとは言いません。

いや、むしろ。

公式も、漢字も、年号も、
深い理解に至るためには、必要不可欠な要素です。


でもそれは、「深い理解をしよう」という意志がある生徒にとって、のみ。



「3ずつ増えていけば百番目はどこまで増えるのか?」
「魑魅魍魎という漢字のそれぞれの意味は?」
「743年の墾田永年私財法のせいで政治がどう変わったか?」


そういったことを、
考え、知ろうとしている生徒に対してのみ、
公式などの叩き込みは有効なのです。



数字遊びに何の興味もなく。
漢字を英語のような表音文字ととらえ。
時代の変遷を感じ取れない。



そんな子供に、詰め込み教育を行ったところで。

忘れたら終わり。
もちろん、後には何も残りません。

しかも、「勉強とは覚えるもの」という、
大きな勘違いをしてしまう。



それに加えて、中学受験勉強では、
扱っているテーマがあまりに難しすぎるために。

そしてペースが早すぎるがために。

相当優秀で、かつ相当思慮深い生徒にしか、
理解し、ついていくことなど出来ません。

そしてその割合は、全生徒の1割にも満たず。

残り9割以上の生徒は、
「勉強とは理解する(できる)ものだ」
という意識すら持てないまま、

面白くもない、ただただ虚しい暗記作業に終始するのです。




さらに。
「勉強とは、他人に指示されてやるもの」
「勉強とは、答えの準備されているもの」
という、

勉強そのもの、
下手すれば人生そのものに対する基本姿勢においてまで、
勘違いしてしまう生徒も数多い。


こんな中学受験の世界は。
子供をただ、ダメにするだけです。



暗記だけが得意だが。

自由な発想もなく、自主性もなく、深い思慮もなく、
努力の尊さも知らない。


そんな子供達が、量産されて行きます。




こんな実情なのに。

普通の世界であれば、
実情がひどいものだった場合、
その会社の評判も落ちて、商売が成り立たなくなるものですが。


この業界は、そうはならない。

理由は簡単です。




客が、子供だから。

特に中学受験の世界では、
客は幼い子供だから。

「子供騙し」が通用する年齢だから。

全くタメにならないような授業であっても、
生徒を喜ばせておけば、それでOK。


ただ、勿論それでも、
「結果」がでなければ、スポンサーたる家庭から苦情が入るものですが。


そこは大丈夫、
「週例テスト」「月例テスト」などは、詰め込みでなんとかなります。

それで、「成功体験」が出来るのです。







それで通用しなくなる時期、小学校6年の後半の時期になると、
もう入試直前ですから、
いかに結果が出なくても、塾を止める人はほとんどいない。

いや、むしろ、その時期だからこそ、
結果が出なければ、受講回数を増やしたりして、
余計に塾に利益をもたらす。

そうして、無駄な勉強ばかりしてきた生徒がひしめくような塾でも。

上記のように、ごくごく一部の、
「深い理解が出来る」、一割にも満たない生徒が。

誰がどんな指導をしようとも、絶対に伸びる生徒が、

肝心の「合格実績」を出してくれます。


それに惹きつけられて、
また、多くの生徒が集まってくる。





そうして。

中学受験塾はせっせと子供達をダメにして行き。

保護者たちは、子供達の為を思って、大金を塾に支払い、
そして子供達をダメにして行く。




そんな、恐ろしい構図が出来上がっているのです。
























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