「何故失敗したのか?」を考えない生徒です。
数学や算数などでは、私は常に、まず目の前で問題を解かせます。
そして、彼らはしょっちゅうミスをします。
そのミスに気づいても、私はすぐには何も言いません。
少し経って、そのミスのせいで生徒が誤答してから、
やってきた過程のどこかにミスがあった、と指摘をします。
その際。
彼らがミスを発見し、
それを素早く修正できることは、ほとんどありません。
ほとんどの生徒は、ただぼんやりと問題を読み直すのです。
そして、しばらくしてから、
おもむろにノートの新しいページをめくり、
もう一度解き直そうとします。
ミスの原因が、
問題の読み間違いだったり、計算ミスであったりしたなら、
その二度目で、正解する可能性は結構あります。
ですが。
同じミスを二度繰り返す生徒は非常に多いものですし、
もっと根本的なミスなどだったら、
二回目だって当然間違えます。
そうすると、彼らはどうするか?
また、ぼんやり問題を読み直し、
三度目のチャレンジをするか。
「分かりません」「無理です」と言うか。
それだけなのです。
たとえそれが、
ただ単に一桁の足し算をミスしただけのようなことであっても、
自分の式を一切見直さない。
そもそも、式を一切書かなかったり、
書いても、「間違えた」と指摘された瞬間、
素晴らしい勢いで式を消してしまったりする。
結果、こういう無意味な行動を繰り返すことになるのです。
言うまでもなく。
彼らには、
「間違いを修正する」という意識そのものがないのです。
「間違えた」=「ダメなことをした」=「やり直さねば」
で、終了しているのです。
少し修正するだけで、その問題は正解できるのに。
言って見れば。
家の近くの駅から電車に乗ったが、
乗り過ごし、目的の駅より一つ行きすぎてしまった。
普通は、その一駅分を戻ればいいのに。
彼らは、もう一度出発した駅に戻り、
さらに一旦家にまで帰ってしまって、
そこから再出発しようとするのです。
おそろしく、効率の悪い話です。
なのに、こんなことを平気でやっているのが、
今の生徒達なのです。
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