良く聞かれる質問ですが、
最近私が答えているのは、こうです。
普通の生徒は、問題を見たときに、
「どうすれば正解できるだろう?」と考えます。
しかし、優秀な生徒は、違います。
「どこが間違っているのだろう?」と、考えるのです。
つまり。
優秀な生徒は、問題を見て、
まず、直感的に、「正解」を浮かべるのです。
そしてその直感的な「正解」が、
本当に正しいのかどうかを、検証する。
それこそが、問題を前にした優秀な生徒達が
最も時間と労力をかけてやっていることなのです。
例えば。
「X×Y=12 XーY=1であるとき、
XとYの数を求めよ」
という問題を見たときに。
「和差算だ」「連立方程式だ」「2次方程式だ」などと、
多くの生徒は思うかもしれません。
しかし、ある程度気の利いた生徒ならば、普通に、
「かけて12、引いて1ということは、
X=3、Y=4か?」
と真っ先に浮かべる。
その上で、
「いや、XーY=1なのだから、X=4、Y=3だ」
と思い直し。
さらに、
「いや、答えは1組とは書かれていないぞ」
「答えが自然数だとは限定されていないぞ」
などと推理し。
結局2次方程式なども用いる場合もありますが、
多くが無事に、
「X=–3、Y=–4も答えになる」までたどり着くのです。
これを、最初から2次方程式を用いて解こうとする生徒は、
運良くミスをしなければいいのですが、
万一ミスをしてしまった場合、
大概それに気づけません。
平気で、「X=3、Y=4」などという答えを書いたりするのです。
明確に間違っているのに、気づけずに。
国語などでは、その差はもっと極端に出ます。
「空欄に当てはまる言葉を、文中の語句を抜き出して答えよ」という問題に対して、
ほとんどの生徒が、文中に適切な語句がないかを探します。
一つ一つの語句を拾い上げ、
当てはまるかどうか考えるのです。
おそろしく時間がかかりますし、
とんでもない見当はずれの答えを書くことも多い。
しかし優秀な生徒は。
その空欄にあてはまりそうな語句を、
まず自分の言葉で、作り出します。
そして文章中に、そのままの語句、
あるいはそれと似た意味の語句がないかを探すのです。
いわば、普通の生徒は、
「ゴールまでどうやればたどり着けるだろう?」と考え、
慎重に歩き出すのに対し、
優秀な生徒は、
とりあえずゴールめがけてジャンプし、
「ここが本当にゴールかな」と考えるのです。
そんな、問題に対する「第一歩」の違いのために。
結果的に。
優秀な生徒とそうでない生徒の間では、
一つの問題を解くのにかかる時間が、
圧倒的に違ってしまう上に、
「自分の答えを検証する」経験値が圧倒的に違うため、
「ミスに気づける確率」も、
圧倒的に違ってしまうのです。
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